新世代のシューゲイザーとしても、いちバンドとしても、
APOFは前作『Out Of The Angels』でひとつの完成形/頂点を極めた感がありました。
今作では拠点を移しています。
冬のアイスランドから、陽光降り注ぐ真夏のLAのスタジオに。
音作りにも多分に影響が出ているのか、
直線的なダイナミズムと、燦々としたキラメキ感が増しています。
クリアなVo.に加え、各パートの音離れも格段に良くなっていました。
そう、前作で魅了された「轟音の壁」的な濃密さよりも
輪郭のクッキリしたギターノイズが荒れ狂う「重厚なロック・サウンド」に
変貌を遂げた感じなのです。
良くも悪くも大いに垢抜けてしまった…!
前作があまりに素晴らしかった事もありますし、
さらにシューゲイザーに対して所謂「マイブラ的」な、
精緻な混沌の美学を求める向き(私も含めて)には
最初はやや物足りなく感じるかもしれません。
しかし、いちアーティストとしての表現力と、
成長と飛躍とを大いに感じさせてくれる力作なのです。
これは全編を支配する、自信に満ち溢れた演奏からも窺えます。
是非聴き込んで下さい。
耳を凝らすと聴こえてくる、じっくり練りこまれた音像。
カタルシスに向けて加速度を上げゆく疾走感。
うなりを上げるギターに呼び覚まされる、
あの「どうしようもない感覚」…今回も健在です。
今作ではライヴ映えしそうな楽曲が増えているので、
サマソニ以来となる来日公演も切望してやまないのです。
P.S.
輸入版はお値段お手頃、デジパック仕様もカッコイイですが、
ボーナストラック(特に「In Our Eyes」)が素晴らしいので、
購入するなら国内版が断然オススメです!