「Oggi」の人気スタイリスト高橋リタさんがファッション/雑貨/食の定番から生い立ちや旅の楽しみまで美しいビジュアルとともに語り下ろしたスタイルブックです。高橋さんは物書きではないため一概に比較はできませんが、モノ選びに対する妥協なきストイックな姿勢は、「他のひとが2〜3年しか着ないならわたしは10年着るわ」と言った故・向田邦子さんのおしゃれ哲学をおもわせるものがあります。コンサバOL誌のスタイリストなのに、過度な女っぽさ/ヒール靴/ストッキングを断固嫌っているところもおもしろい。ひとつひとつ厳しい基準で選びぬかれたアイテムはどれも古今東西定番とよばれつづけてきたものばかりですが、それだけに愛情深い。ファッションはイタリア製、雑貨はドイツ製が多いのも特徴。こうした価値観が生まれた背景にご両親の影響をあげられていますが、「育ちがいい」ということは単に裕福云々ではなく質の問題なのだと改めて教えてくれます。流行至上主義の世界において時代をこえた古びないスタイルを維持/呈示しつづけることがどれだけ困難か。選択肢があふれすぎる現代だからこそ、この真摯さと強靭さは広く日本の女性に必要とされているものではないでしょうか。個人的にはぜひ姉妹編として10代〜20代はじめの女の子たちに向けたスタイルブックも作っていただけたらとおもいます。