流行のSNSに性を偽って登録した千晶と秀紀。オンライン上で出会った二人はお互いに相手を同性だと思いメールの交換を続ける。
ネット連載されていたものを書籍化したものが本書です。
連載中に読むことはありませんでしたが、次第に恋心を募らせていく二人のメールを実際にPCを通して読むというのは、さぞかし臨場感があったことでしょう。本書ではメールの部分はPCモニタで見慣れたゴシック体を採用しているので、すんなりと光る液晶に浮かぶ文字を想像することができました。なんだか他人のメールを盗み見しているような罪悪感すら感じたほどです。
著者は相変わらず東京を書くのがウマいです。地下にあるモダンな和食屋、高層ビルから夜景の見えるバー、ギャルソンエプロンを締めた若いウェイターの腰、そしてそこで悩みながらも生活する人々。うー…ん、お洒落だ…。
ただ1つ。これも著者の相変わらずのパターンですが、主人公が仕事で成功しすぎです。登場人物の不幸を願っているわけではないですが、もう少し失敗したり挫折したほうがリアルだし読者の共感をよべるのでは?