ある意味みどころは冒頭の10分ですね。
ここがすべてと言ってしまってもいいかもしれません。
レースのスピード感。音とリンクしたライブ感は素晴らしい出来です。
ただ宣伝文句にあったような愛やら常識を越えたって言う部分で期待して見ると肩すかし食らうでしょう。
小池氏の作画に関していうと前作のTRAVAの方が良かったですね。パートカラー的な少ない色数と線画がすごく個性的に感じましたが、
今回はグラデーションの多用と蛍光色や原色の色使いが少し毒々しい印象を与えてしまってます。
ただ背景風景や群衆の書き込みはすばらしいです。キャラクターもなかなか個性的だとはおもいます。
ですが制作者が謳ってるほど新しいアプローチとも思えませんしアニメーションの領域を広げるほど斬新な作品とは思えませんでした。
既視感がすごくありますね。
この映画には脚本に3人の人が関わっているらしいですが、あまりにも出来が悪いです。特に中盤の間延び加減と後半ですね。
いいキャラクターをそろえているのに感情移入できないのは主人公を含めて掘り下げ方が浅いからだと思います。
クライマックスのレース(REDLINE)そのものに目を向けてもスーパーチャージャーの加速力頼みの駆け引きのないレース展開。
レースを妨害するロボワールドの軍隊は本当に必要だったのかどうか。
中盤のどうでもいい展開やロボワールドをはぶいてでも各キャラクターがこのレースに挑むまでの軌跡やエピソード、
レースにかける思いやレース前日の過ごし方などを描くべきでしたね。
スターウォーズのポッドレース的な雰囲気や異星人、あげくにAKIRA的なものまで無理矢理つめこんだことで焦点までぼけてしまった印象です。
あと作画枚数の多さであるとか手書きとか制作年数とか体感ムービーだとかいう逃げをうってるのが残念ですね。
制作者の苦労話は見る側にとってはどうでも良く、出来上がったものがすべてですから。
テーマパークの体感アトラクションでもせいぜい10分が限度です。どうにもアニメ制作者にありがちな独りよがりな感じや身内受けな感じが鼻についてしまうんですよね。
ジェイムス下地氏の音作りはすばらしいし自宅でPVとして流すにはいいかもしれません。
もっとも重要な脚本や演出をおざなりにしないプロットを煮詰めたものを次は期待したいですね。