お待ちかねレッドデータガール第三巻。
たよりなさすぎて、大丈夫か心配になってくるほどだった泉子ちゃんがこの巻で一歩自立しましたね。いい意味で、頭の切れる策士の登場人物ばかりいる、レッドデータガールでは、純粋で素朴な主人公がいてこそ、うまくバランスが取れているな、とこの巻を読んで思いました。前半では、何気ない夏休みの様子にほんわかとした気持ちになれました。
内容自体は面白かったですよ。やはり荻原さんは、日本神話や日本独自の不思議の世界をからめた本が、特に優れていると思います。しかしレッドデータガールで扱っている日本の不思議の世界を、現代の日本の高校を舞台にお書きになるのは、少し無理があるのでは、とは感じました。
それにしてもページ数が少なすぎます。荻原さんのゆったりとしたペースで、あの短さはないでしょう。やっと物語が本格的に動き出したかと思ったらもう終わりなのですから、かえってまとまりが悪いまどろっこしい本になってしまっています。
出版社のほうももう少し、荻原さんがどんな本をお書きになるのが、得意かを理解して、それに合わせるべきではないでしょうか。せっかくの荻原さんの魅力が発揮できていません。残念です。