動画共有サイト「ニコニコ動画」で話題のMC「らっぷびと」のファーストアルバムがこの「RAP BEAT」だ。元々別名義でネットラッパーとして活動していた彼は、アニメソングのトラックに乗せてラップをするという手法で、今回のアルバムの発売に漕ぎ着けるまでの人気を集めるに至った。
もっとも、著作権的な問題もあり本作の収録曲は大槻ケンヂの同名曲「人として軸がぶれている」のカバーである9を除いていずれもオリジナル曲であり、どの作品も意外なほどクソ真面目に「日本語ラップ」を追求した作品となっている。
ライムスターやKREVAをリスペクトしているというだけあって、JPOP風のメロに甘い高音のフロウが重なる2、6、7は、インディーズながらメジャー路線のJRAPに紛れていてもおかしくないほど。1「When They Cry」の元ネタとなったアニメ「ひぐらしのなく頃に」等のアニメのファンは勿論のこと、アニメやマンガに興味の無い層が聞いてもそれほど違和感を覚えず聴くことが出来ると思う。
反対にネット上でのDIS合戦を題材にした5はらっぷびとなりにハードコア路線を狙った曲となっており、バラエティの豊富さを求める日本語ラップ好きも(気に入るかどうかは別として)退屈することはないだろう。
アニメとHIPHOPという、ともすればマニアックになりがちな両ジャンルにおいて、意図せずではあってもひとつの文化の架け橋の役割を果たしているらっぷびとのスタイルは、案外ヒップホップマニアやオタク層の抱くイメージ以上に画期的なのかもしれない。