Rは強力ですが、多機能な分、ヘルプだけでは到底全貌を掴むことができません。RjpWikiやR-Tipsのような優れたサイトもありますが、書籍には書籍の良さがあります。ちょうど取りかかっている作業にぴったりの内容で助かりました。
この本は時系列データ(横軸が時間になるようなデータ。音声信号をオシロスコープで観察したり毎分の温度や湿度をペンレコーダで記録したりするイメージです)を中心に、データの入出力、グラフ表示、差分、フィルタリング等の畳み込み積分、トレンドの抽出、ロジスティック曲線のあてはめ、自己/相互相関、フーリエ解析、回帰分析、確率過程、ARIMAモデル、仮説検定といった話題について説明しています。
言語としてのRはSchemeを元にしていてなかなか面白いのですが、この本ではRの言語としての側面にあえて拘泥せず、「○○をするには、Rをこう使う」という感じの実践的な内容になっています。例は経済学のものが多いのですが、他にも理工学・生物学分野などにも簡単に応用できそうです。
ただ、焦点がぼけてしまうかもしれませんが、折角filter関数を導入しているのですから、FIRやIIRとの関連も説明してあるともっと参考になったろうと思いました。