エヴァンスのミニコンボものといえば若き日のフレディハバートのラッパが聞き物の"Interplay"が有名だけど、本作はこの日のためだけのエヴァンスクインテット:Bill Evans(p),Harold Land(ts),Kenny Burrell(g),Ray Brown(b),Philly Joe Jones(ds)による、ヴェテランプレーヤー達のじっくりと聴かせる化学反応に酔わされる作品。触媒としての役割を果たしているのがレイブラウンのベースで、ゆっくりとしたテンポを設定し、ダークで美しいメロディを奏でる。それに乗ってコクのある音色を聴かせるハロルドランドのテナーが好きだ。微に入り細に入ったプレイぶりで、まるで走馬燈のように切ない。そこに絡むビルのリリカルなピアノとバーレルのあのゆっくりとコードを刻むギターが美しい。いつになくおとなしいフィリージョーも場にピッタリと合っている。この5人のインナーファイヤーが燃える、静かな化学反応が絶品の一枚だ。ビルのトリオ作とは趣を異にするけどリスナーの心に染み込んでくる味わい深いハードバップジャズだ。タイトルのQuintessenceは元々は物事の本質という意味だけど、5人(Quintet)のVeteran Jazz MenのEssensceつまりQuintet-Essence溢れる演奏に、ただただ聴き惚れるだけの37分間だった。