Qt4がリリースされている現在でも,英語が苦手でこれからQtプログラミングを始める方には大いに役立つことは間違いないだろう.
この本で以下のことを理解できるはずである.
・Qtプログラミングで最も重要なシグナルとスロットの記述方法
・Qtの基本的なコーディングスタイル
・Qtが持つ主要な機能の概要と使い方
(Qtが提供しているOpenGL,XML,ネットワーク,データベース,コンテナクラス,マルチスレッド,国際化,ドラッグ&ドロップの基本的な使用方法).
・Qt Designerによる視覚的なGUI設計方法の基本
・カスタムウィジットの作り方
ただし,広く浅く機能全般を説明しているために,どうしても個々のウィジット機能の説明はかなり不足しており,この本だけでGUIを自由自在に設計することは不可能だろう.また当然ながらOpenGL,XML,ネットワーク,データベース,コンテナクラスに関する章は,事前にそれらに関する知識がなければ,理解するのは難しい.しかし,これは必要がなければ読み飛ばせばよいだけなので,特に問題ではないと思う.
入門書としては非常に役立つ本であり,勉強の仕方としては,まずこの本を読んでQtの基本的なコーディングスタイルやGUIの設計方法を学んでから,GUIを自由にカスタマイズできるようになるために,Qtのリファレンスマニュアルを見て,各ウィジットが持つ機能を1つずつ試しながら学んでいくのがベストだと思う.
Qt4と使用方法が違う箇所が一部あるが,この本を見てしっかり勉強すれば,その違いについてはQt4のリファレンスマニュアルで調べれば容易に修正できるはずである.
最後に当然ながら,英語に不自由しない方はこの原著者であるJasmin BlanchetteとMark SummerfieldがQt4の本を出しているので,そちらを読むことをお勧めする.