作曲家・ピアニストの加古隆さんが、長年の熟慮の末結成した「加古隆クァルテット」の初アルバム。
加古さんの代表作や初音源化作品を、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、そしてチェロの構成で演奏している。
ヴァイオリンの透き通った響き、ヴィオラのやわらかい響き、チェロのふくよかな響き、そしてピアノの「樹」の響き……。
「最小限の楽器構成で最大限の音楽表現を可能にする」という理想の通り、
それぞれの曲のあたたかさや切なさ、悲哀や愛情を見事に表現している。
やさしいだけのアルバムかといえばそうでもなくて、激しさもきちんと表現されている。特にお勧めは「熊野古道」。
原曲バージョンに勝るとも劣らない渾身の演奏で、これを聴くと胸が熱くなってくるほどだ。
耳を澄まして聴くと、息遣いまで聞こえてくる「臨場感」も魅力のひとつ。
このクァルテットの響きに耳を澄ませれば、美しい音色が心の奥まで沁みわたってきて、
心が浄化されていくような素敵なひと時を体感できるだろう。