博覧強記の薬剤師タタルが活躍するQEDシリーズ第二弾。
このシリーズは、歴史の謎を解きながら同時に現代に起こった事件も解決する、
というのが特徴であるが、今作の題材は七福神と六歌仙、それに古今和歌集である。
第一作の『百人一首の呪』よりも、歴史の謎解き部分と現代のミステリー的な面白さのリンクの仕方は上手くなっていると感じるが、やはりそれでも少々とってつけた感
は否めない。
思うにこのシリーズは、作者が考える歴史の謎解きを、ミステリーという形式で表現しているもので、ミステリー小説としての面白さには重点が置かれていないではないか(作者自身にとっても)。
だから、歴史の謎解きの面白さとミステリー小説の面白さが同時に味わえる、というのは
期待しない方がいい。
ただ、そうやって一旦ミステリー小説としての面白さを括弧に入れてみると、
「歴史謎解き本」としては面白さが際立つのではないかと思う(個人的にこのシリーズは、『漫画 日本の歴史』等が超豪華になったもの、と考えている)。
主人公の解説も丁寧で(他の作家の作品と比べるのはいけないかもしれないが、「親切な京極堂」といった感じ)、例えば今作の題材である七福神や六歌仙についても、読んだ後にはある程度の知識が入っているという嬉しい副次的効果がある。
また、今作は舞台が京都なので、京都が好きな人なら色んな雑学が楽しめる(例えば、「清水の舞台」が本来何に使われていたか、とか)。
最初からそこまでミステリーとしての面白さを追求しないのだったら、かなり面白く読めるはず。