多重債務問題解決に最前線で奮闘している、心ある実務家集団による貴重な労作。
本書は、実務家以外の一般人が自ら多重債務問題を解決することをも前提としているため、読みやすく、経験の浅い実務家にも安心して勧められるほとんど唯一の書。
公刊物未搭載判例を豊富に収録したCD−ROMも極めて貴重な資料かつ武器である。
しかし問題が。
まず、せっかくのCD−ROMであるが、判例の検索において極めて使い勝手が悪く、実用性に疑問なしとは言えない。
次に、いわゆる充当の問題や、悪意の受益者の主張・立証については、ほとんど裁判官ごとに一人一説となっているのが現状であり、果たして本書のように、一般化して対応できるかは大幅な疑問を留保する。
本書の価値は高く評価するものの、上記二点について(後者については、独立した一冊として詳細緻密な検討がなされるべきと思料するが如何)、次回改訂を待つこととし、一点減じた。