祈りには治癒効果があるという内容だ。前著『癒しのことば』春秋社で展開された主張と何ら変わるところはない。むしろ、より深められたといっていい。「祈り」というのは迷信でもなければ、単なる心理効果でもない。あらゆる宗教によって実践されてきた「祈り」という行為は、癒しの効果だけにとどまらない、人間の願望そのものを成就させる力があるという。著者は数多くの科学的証拠をもって、そのヒーリング効果を力説する。一歩間違えば、あやしげな信仰療法や超心理学に堕してしまう危険性をはらむテーマではあるが、豊富な医学的知識による論証が信憑性の高い内容を生む背景となって、読者はきっと信じたい気にさせられるだろう。しかしチョッと待っていただきたい。少しだけこのテーマにツッコミを入れるとしたら、祈りの有効率はどうなっているか、それが知りたい。プラシーボ効果を除いたときの祈りによる治癒効果はどれくらい有効なのかということだ。祈りのエキスパートだった聖ベルナデットやクリシュナムルティ、そしてマハルシでさえガンで亡くなっている事実をどう考えたらいいのか? ということは、祈りはかならずしも100%効果を期待できるわけではないことなのか?