遅咲きの奇才詩人/作家ブコウスキーによる、自伝的長編。彼が15年近くを過ごした郵便局での経験を元に、退職後わずか19日間で仕上げられたという処女長編。
そのごりごりとした、猥雑な文章の向こうに、どこまでも澄みきった哀切が見えます。権力者の欺瞞を暴き、システムに対しての罵倒を重ねながら、どこか人間性、というものに希望を失わないブコウスキー。そのあまりに直截な表現ゆえに、不要な誤解を生みやすいようですが、その持ち味は人間愛であり、第一作からきちんと提示されています。クサったときにお勧めの一冊です。元気が出ます。