今まで未発表だったアウトテイク2曲(!)を加えた名プロデューサーオリン・「キープニューズ」
の名を冠したリバーサイドの新シリーズ。
新たにリマスターされた24ビット・リマスターの音質は、ラファロのベースに今までのものよりも
充実感があり、どちらかというと硬質だったピアノの音も中域中心の密度の高い音質に改善されています。
故長岡鉄男氏も指摘されていたように、もともとこの「ポートレイトインジャズ」のピアノの音には
金属質な響きがあり、高音部にもやや歪みがあります。
録音時のスタジオの環境の互い、マイクの選定やセッティングなどが影響し合い、同じスタジオで
録ってもアルバムごとに様々な音質になるのはよく知られているところです。
当然ながらアルバム毎の個性(固有の音)でもあるので、善し悪しは一概には言えません。
結果的に、アナログでは数種類、CDでは4種類の本作を聴き比べましたが、
前述のポイントではほぼ同じ印象でした。
CDでも各プレス毎に音に個性がありますが、私は今回の音がなかなか気に入っています。
それは、リマスター担当者がこのアルバムの音質的な欠点を意識してリマスタリングしていると思われるからです。
よくリマスターというとシンバルが強調され、ピアノがスッキリとし過ぎて神経質な仕上がりになるケースが
多く見受けられるのですが、本CDはリマスター臭さがなく、比較的安心して聴けます。
内容は名盤の誉れ高き名作なので敢えてコメントしませんが、今回聴き直してみて、エバンスとラファロの
スリリングなコラボレーションはまさに「神業」だという思いを強くしました。