前作から5年以上のブランクを経てリリースされた4作目。
その間、バンマスであるジェームス・マーサーが別プロジェクトを立ち上げたり、彼以外のメンバー全員が脱退してしまったりと、色々あったようです。
で、結果届けられたこの新作は、THE SHINS名義にはなってますが、ほとんど彼のソロ作に近いものになっているとのこと。マーサーが複数の楽器をこなしていたりもしています。
その内容の方も、これまでと比較すると、ややプロダクション面に力点をおいて作られてるのかなという印象を受けるものとなっています。
勿論、軽薄な80‘sエレポップ調ではないものの、エレクトロニクスの導入はとても目立っていて、音の組み立てがより重層的になったように感じられます。
あるいは、RADIOHEADっぽいサイケ感、浮遊感なんかが楽曲によっては強く意識させられるような面もあり、アレンジ面での変化は若干感じられたりはします。
しかしながら、BEACH BOYSに代表される60年代ポップスに近似したポップセンスや、フォーク/カントリーロックをベーシックな演奏スタイルに据えたその音楽的アティテュードに変わりはなく、相変わらずのソングオリエンテッドなUSポップロックとなっています。
初聴の時点でハッとさせられるような「キラメキ度」「トキメキ度」は、ひょっとするとこれまでの作品には及ばないかもしれませんが、逆に本作には、より深みや渋みを増した濃密な世界が広がっているようにも思います。
何度でもリピートできる、聴く度に新しい発見がある、そんな感じの作品です。
一曲目が、いきなりトリッキーかつマジカルなヘヴィロック・ナンバー(と言ったら言い過ぎかな?)なので、昔からの彼らのファンの方々は少し意表を突かれるかもしれませんが、心配は要りません。
ポジティヴでハートフルなポップナンバーが、ここには一杯詰まっています。
珠玉のポップソングス健在、な傑作です。