のびのびと、豊かに、絵が呼吸しているなあ。わくわくと、見ている者を別世界に連れて行ってくれる絵だなあ。縦300mm×横225mmの大型サイズの本書の中の絵を見ていて、なんだかとても、「日常じゃあにぃ」な気持ちになりました。魅力的な絵本作家、荒井良二(あらい りょうじ)さんの言う「日常じゃあにぃ」は、こんなのです。
<僕はいつもこんなふうに考えてる、玄関のドアを開けたら、旅の始まり。それはどこにもない自分だけの旅の道のりだろう。僕は絵を描き、本をつくるのが好きだ。僕の本を手にとって、非日常のとびらを開けてもらえたらと思う。僕の日常の旅、日常じゃあにぃのとびらを。>(【ようこそ、僕の「日常じゃあにぃ」へ。】より)
見開き二頁の【もくじ】をめくったすぐ後からはじまる【いろいろバス】の企画。千葉県船橋市にある健伸幼稚園の通園バスに、荒井良二さんと子どもたちが絵を描いていく様子を写した写真の数々に、まず、目を瞠りました。「おおおっ!」と、思わず心の中で歓声を上げていました。八頁にわたるこのイベントのインパクトがとても強くて、のっけから引っ張り込まれたんですね。楽しかったなあ。
荒井さんの自作絵本を発表年順に紹介していくコーナー、荒井良二さんのお気に入りの100冊展示コーナー、「日常を旅して、旅を日常する」というタイトルの付いた荒井良二インタビュー・コーナー、イラストレーションと展覧会作品のコーナーなど、この一冊に、まるごと荒井良二の世界が広がっています。
実は私、まだ一冊も荒井さんの絵本を読んだことがないのですが、この一冊をとっかかりにして、『たいようオルガン』とか『はっぴぃさん』といった絵本、『スキマの国のポルタ』のアニメーションDVDの世界に、ぜひ出かけてみよう!って思っています。わーい、今から楽しみだあ。