もう20年ほど前に読んだのに、未だに新しいと思う。
表紙の裸像の下半身が、ピンクの帯で隠れてるんですよね。いいデザインだった。
岡崎京子氏は手塚治虫氏の大ファンだったそうで、なんか解ります。毒の混ぜ方が似てる。
人間の美しさと醜さをどちらも描くところとか。
主人公が電車内で他の乗客に「死ね死ね死ね」ってカンジで心中で毒づいた後に、
疲れてる自分を自覚して「ゴメンねみんな」とまた心中で謝るところとか好きです。
「願いが叶う植物」に祈るシーンで、妹の願いだけがハッキリ書かれてないのですが、
(主人公の願いは十中八九「ワニと一緒に南の島にいけますように」だと思うのですが)
「お姉ちゃんとママがせめて話しますように」が妹の願いだったら辻褄が合うなぁ、と思ったり。
「猿の手」みたいなものですね。「お金が欲しい!」と願ったら息子が死んで保険金が入る話。
大人になって読み返すと、主人公の義母(妹の実母)がなんだか哀れだったりしますね。
主人公と義母、どちらも欲望に忠実なだけに、他人の評価に惑わされっぱなしの義母が痛々しい。
シンデレラ、赤ずきん、白雪姫の引用からも、昔から人間の課題が変わってないことが伝わります。
この作品と出会って岡崎京子氏の全作品を購入しましたが、
新作が望めなくなってから矢鱈と完全版や新装版が出て、もうキリがない…
それだけ愛される作家なのでしょう。私も未だに愛しています。