ハイドンのチェロ協奏曲第2番ニ長調が1953年9月、残りが1952年9月、いずれもジュネーブ、ヴィクトリア・ホールで録音。モノラルなのだが録音状態は非常に良く、瑞々しい。
ドイツ気質の代表のようなカール・ミュンヒンガーとフランスの気品を代表するようなピエール・フルニエの組み合わせによる古典チェロ協奏曲集とも言えそうなアルバムである。ぼくはこの中では特にハイドンが気に入っている。このニ長調協奏曲は1783年に創られている。ハイドンは実際には5あるいは6のチェロ協奏曲を作曲したらしいが、現存するのはこのニ長調協奏曲と1765-7年頃創られたハ長調協奏曲の2曲だけだ。
第一楽章はアレグロ・モデラート。4/4拍子。まず弦が第一主題を、続いてオーボエとヴァイオリンが第二主題を導入し、それをチェロが装飾した形で繰り返す。この15分32秒に及ぶ第一楽章の高貴さに圧倒される。ハイドンは素晴らしいな、そしてこのフルニエを聴かずには死ねないなぁ、と思ってしまう。こんなに古い録音なのにこの曲でこれ以上の感動に出会っていない。それだけ名演なのだ。
他の3協奏曲も素晴らしい。フルニエのチェロの魅力満載のアルバムである。