作曲・指揮・伝説的ピアニストでもあるラフマニノフ本人の演奏。
この録音は1929年と1939~40年のもので、古くから伝説的な名盤として
知られていましたが、当時の録音技術の問題による音質の悪さによって
ラフマニノフ本来の演奏を覆い隠してしまっていました。
ですがNAXOSの復刻は素晴らしいの一言に尽きます。
ピアノの輝かしくクリアな音色と、ストコフスキー&オーマンディ指揮の
フィラデルフィア交響楽団の壮大で煌びやかな音色が明確になっています。
既にRCAの復刻盤を持っている方にもぜひお薦めです。
ラフマニノフのピアノ演奏は、この曲が壮大で技巧的にも
大難曲である事を忘れさせる程の神業的テクニックで弾きこなしています。
ラフマニノフの音は鐘の様に響き渡り、その輝く音色だけでも偉大です。
表現と解釈はリヒテルやホロヴィッツの名演に代表されるような
極度に甘く哀愁的で濃厚な一般的イメージとは違い、軽快で颯爽としつつも
優雅に「歌い」「躍る」様は絶妙です。ちなみに親友で大ピアニストの
ヨゼフ・ホフマンはラフマニノフを『鋼鉄の腕と黄金の心の持ち主』と
絶賛し、評論家H・ショーンバーグは
『貴族的本能と統制された理性が演奏を高貴なものにした』と評しています。