新進気鋭のテクニカル系ギタリストNick Matzkeです。同じ趣向をもつ方がTwitter上で絶賛されていたので、そのまま乗ってしまいました。いやー、これが大正解!正直に言いましてこのNick Matzkeというプレイヤーの情報はまるでわかりません。自身のサイトでは初ソロということになっていますが、初めて見るファミリーネームといい、一見するサラリーマン風の風貌といい、謎多きギタリストです。
恐る恐る聴いてみると、これがドンズバ!の傑作。オールギターインスト作品ですが、全体を通して評すると「回春したGreg Howe」という感じです。1曲目からいきなり飛ばしまくる超絶技巧の嵐にすっかり魅了されてしまいました。Greg Howeよりもロック寄りでGibsonのES-335から生み出される野太い音にすっかりやられています。テクニカル系ギタリストはともすればテクニックのみに走りがちで、冗漫な感じに陥ることもあるのですが、Nick Matzkeはギターを歌わせる術を心得ています。だから、「昔のGreg Howe系」という評価にしました。
一方で、#4「Peligro」や#7「The Djinn」のようなネオクラシカル風の曲も用意されています。こちらのテイストもなかなかです。多くの先達が編み出したテクニックや表現方法を貪欲に吸収したうえで、しっかりと自分のものへと昇華できています。ただ、あえて苦言を呈しますと#8「Clean Up」のような打ち込みが前面に出すぎた曲は個人的な好みもあってあまり推奨できません。また、全体的に音が割れ気味で耳が辛い曲もありますが、ここら辺は予算の問題もあるので(笑)、次作での挽回に期待です。しげしげとクレジットをみたら「Yuka Yanagihara」という日本人プレイヤーが参加しています。
というわけで、次の作品も聴きたくなるようなプレイヤーに久々に出会えました。