くるり初のライブアルバム。音源としても8ヶ月ぶりとなる。
このアルバムは普通のライブアルバムとは違い、2枚の会場で収録した音源を
分けて発表する形となった。その割りにはコストパフォーマンスが優れている。
まず全体的な選曲が面白い。くるりは今年でデビュー10周年だが、敢えてベスト的な選曲でなく
レア、というかシングル曲少なめでくるりの中でもコアな楽曲が多めになっている(特にDISC2)。
これが非常に面白くて、ファンにとって幻の作品「もしもし」からの楽曲(!)が
入っていたり、シングルのカップリングやちょっと昔の曲が多かったりする。
もちろん最新アルバムの曲は多いが、「NIKKI」や「アンテナ」の曲はほとんどなし。
その代わりに「図鑑」や「THE WORLD IS MINE」の曲が多く、このひねくれもくるりっぽい。
DISC1はパシフィコ横浜で行われたオーケストラライブを収録。もちろん「ワルツを踊れ」の
流れを完全に汲んでいて、その中の楽曲が中心のセットリストであるがその他の曲も
見事にワルツ〜の音像に近いものになっている。個人的には「惑星づくり」はかなり意外だったが
聴いてみると見事に流れに溶け込んでいるのが凄い。また「春風」のように容易く合いそうな曲も
きちんと入っているのもニクイ。「ジュビリー」で締められるラストは圧巻。
DISC2には京都の磔磔で収録されたライブ。これはDISC1と対照的にバリバリのロックで
いつもの彼らのライブ感を感じることが出来る。で、思ったのは非常に良い演奏をしているということ。
ライブ盤としては珍しいほどキッチリとした雰囲気になっており、バンドの性格が判る仕様になっていると思う。
「すけべな女の子」のグルーヴ感は凄いし、「アナーキー・イン・ザ・ムジーク」ではかなりの
アグレッシブさを感じられる演奏をみせている。個人的に「モノノケ姫」は彼らの曲の中でも
思い入れの強い一曲だったのでこの曲を未だにやってる事実に大いに嬉しくなった。
正に冬に発表するのにふさわしい、温かくてそれでいて洗練されたバンド・サウンドをじっくり堪能できる
優れたライブアルバムだった。ライブ盤に興味がない人でも楽しめる仕様になっていると思う。
また雰囲気もかなり良い感じなので是非。