個人的にカーヴド・エアの魅力は、演奏がどうのという事では無くトータルなイメージの持ち合わせていたユーモアと冒険心に満ちた奔放さにあったと思う。
本作ではその魅力が存分に発揮され、物悲しさと得体の知れなさ、悪戯心のある"Ghost"というテーマと上手く噛み合わさっている。特に8は正に風の強い夜に猛スピードで自分の魂が飛ぶ様な風景が目に浮かぶようで心が浮き立つ。
プレイヤーとしては後任のジョブソンに大分遅れをとる(ファンの皆さんには申し訳ない)2人も、ここではそれが良い味を出していると言える。スピード感のあるリズム隊に弾きたい放題(笑)のダリル・ウェイ、フランシス・モンクマンのウワモノが跳ねるサウンド、それに重なるロック姉さんソーニャのシャンソン風のボーカルと、一人一人では正直大した事は無いのだが謎のマジックが起きている。
(次のアルバムではそのジョブソンが「上手い」為逆に面白さが劣ると感じる)
正直言って「ある幻想的な風景」という副題に釣られた私は始めその通俗的でエンターテイメントな音に拍子抜けしたが、なんという事は無い。
これは厳かな神秘的な風景というより、わくわくするような幽霊の御伽噺の風景を見るアルバムなのである。