ピーター・ガブリエルと言えば、すぐにこのスーパーリアルな雨粒ジャケ(デザインはヒプノシス)が思い浮かぶ・・・それくらい、私にとっては、思い出深いアルバムだ。
参加メンバーのクレディットに、ロバート・フリップ(ギター)、トニー・レヴィン(ベース)、ラリー・ファースト(シンセ)、スティーブ・ハンター(ギター)、ディッグ・ワーグナー(ヴォーカル)らの名前が記載されているのも、実に興味深い。
ジェネシスらしさは全く窺えない、時に飄然としたポップ・ソング、時にエキセントリックなまでに派手なガブリエル・ワールドを堪能できる逸品である。
プロデューサーは、アリス・クーパーやキッス、ルーリード、ピンクフロイドの諸作品において、その「スペクタクルな音楽演出」で有名な、鬼才ボブ・エズリンである。ボブ・エズリンは、もともと役者肌のきわどいパフォーマーであった、ガブリエルの個性を上手く引き出し、1曲1曲をまるでドラマのように仕立てたと思う。
この作品は、良い意味で娯楽趣味的な作品だと思うし、荒唐無稽な世界を扱いながら、有無を言わさず、聴き手を引きこんでしまう訴求力というか、想像力の侵犯性のようなものは、彼ならではのものだ。