真ん中あたりにある一枚の白黒写真。暗闇の中で神経を集中しステージに出るタイミングを待つ3人。まるで戦場に向かう兵士のようだ。ステージでは見せることのない表情。ファンは決して見ることができない姿。この一枚を見るためにだけこの写真集を買ってもいいと思わせるぐらい。関和亮氏はステージとバックヤードを撮る腕はすばらしい。淡々とステージとその周辺を切り取っていっている。Perfumeのこの時、この瞬間をきっちりとらえている。このツアーは何だったのかを伝えてくれている。最後の方、ステージ袖で泣いている一枚。この一枚の中に一人一人の個性がはっきり現れている。そして2009年10月30日の千秋楽を見ていたファンもここでぐっと胸に来るのではないだろうか。実にいい写真だ。一方で、最近売れているアイドルの写真集だと思って買ってしまった人にはかなり不満が出ると思う。残念ながら関和亮氏はいわゆるアイドル写真のセンスはない。そして記号化されたアイドルとしてのPerfumeはこの写真集の中には存在していない。さて、本作品であるが、Perfumeファンはいうまでもなく、写真好きな人にも大変お薦め。しかも値段もこのサイズ、この紙質にしてはずいぶんお徳なものとなっていることも付け加えておきたい。