初のリマスターとなった「再結成DEEP PURPLE」の第1作。機材が古すぎて直すにも限界がある1970年代の作品でもなく、既に十分音が良くて差が出ない1990年代の作品でもない。この1980年代の録音が一番差が出るのだ。音質・バランスとも、大きくレベル・アップしており、ボーナス・トラックも1曲追加。オリジナル・マスターで所有している人でも、買い直して損はないと思う。
初期のスクリームは出なくなったイアン・ギラン。従って超高音域は使えなくなった。だが、それを補って余りある、メロディーの充実振りである。ジョー・リン・ターナーをフィーチャーした RAINBOW の活動で、ハードポップを通過してきているため、誰にでも分かる良さがある。楽曲が、力任せの「勢い」ではなく、丁寧な「旋律」の組み立てで出来ているのだ。特に「歌メロ」完成度は、歴代作品でも最高かもしれない。
「決め」の曲である「Knocking At Your Back Door」を素直に1曲目に持ってきているのも良い。渋く枯れた味わいのギランの声も、“深紫”のイメージに合っていると、個人的には思っている。ギンギンのメタリック・ヴォイスでは出せない幅みたいなものが、このアルバムには溢れている。
ベテラン・バンドの復活作だが、産業ロックやメタルで育った1980年代の若いファンにも、このアルバムは良く売れた。完成度から言って順当だ。決して、昔の「名前」で売ったわけではない。