野暮ったくないキャラソンと、聴いていて白けないアレンジ違いというものを、私はこのCDで初めて聴いた。
思うにこれは、イマジンと良太郎が同調して、イマジンの個性を尊重し活かしたスタイルで戦闘をするという、本編の特徴を忠実に踏襲した結果できた、稀有なアレンジCDなのだ。
まず、ベースとなる旋律と歌詞。これは、『電王』という作品の根底であるテーマを、キャラソンという手段で表現したものだ。
時間という決して戻ってはこないものへの切なさ、侵してはならないものを侵す敵への憤り、負けてはならない戦闘に赴く者の覚悟などが、精巧に歌にされている。
このベースを踏まえて、モモ・ウラ・キン・リュウに合わせたアレンジに展開していく。ベースが良太郎で、アレンジが憑依イマジンというわけだ。まさに『電王』である。
このベースをいちばん感じ取れるのがモモタロスver.で、モモの圧倒的なパワーとスピードが、聴くだけで目に浮かぶ。ところどころでシャウトするように歌っているのも、アグレッシヴなモモらしい。
ウラタロスver.は、ウラの超然とした強さは確かにあるのに、しかしぱっと聴くと軽妙なリズムでその強さは隠されている。ウラらしいトリッキーなアレンジだ。
キンタロスver.は、先の2曲のスタイリッシュなイメージをがらっと覆すド演歌調だ。だが、それがキンの情に厚いキャラとパワーファイターらしい重厚感とぴったり一致する。
リュウタロスver.は、HipHop調だ。無邪気なくらいダンサブルなのに、サビになると一転してクールなイメージが漂う。これはリュウでなくては歌えまい。
そして、セリフ入りver.で、さらにそれぞれらしさを堪能した後に聴くボーナストラックは、会心の一撃であること請け合いである。
欲を言えば、イマジンの掛け合いがもっと入っていたらよかった。が、こういうものは一撃必殺が美学なのだろう。
イマジンのファンなら必聴のCDである。