1999年作品。1990年代のエポは、voice of oopart, WICA, Danceといった民俗的な、土着/原始的ルーツのような根源的な「環境音楽」というべく、独自の癒しの音楽を開拓していきはった。本作は、音楽家エポ30代最後のアルバムと思う。ジャケット裏では桃を切った断面を女性器に模しているが、本作はセクシーな要素は感じられず、むしろ生きる意味とか、ちょっとしみじみしたゴキゲンさ(?)を求めとります。
本作を、そうした「環境」音楽から「うふふ」「音楽のような風」のようなポップ曲への回帰とみることも可能で、実際「1. 誰かを本気で愛してみたい」「2. ハラハラドキドキ」「3. 幸せもの勝ち」「7. 君のさがしもの」は、エポ特有の現世肯定的なゴキゲンなポップ曲である。特に、7がポップス史に残るような名曲違いますやろか?エポほどの音楽家でも20代には出て来なかった「誰もが人生の重さを比べ合うけど私たちにとって一番大切なものを死ぬまでに見つけよう」という世界が拡がっとる。「5. Memories」は「音楽のような風」に環境音楽的陰影を加えた(キャッチーなメロディと民俗音楽的ラララ、ウウウ歌唱が融合)ような、新しい世界を拓いて居られる。
「6. あきらめたくない」はepoの環境路線ですり抜ける心地よい一陣の風のようなフォークギターが印象的な佳曲。「8. Go on my way」は、キース・ジャレット・トリオのGod Bless the Child(Standards 1収録)に通じる、ゴスペル風が楽しい。
1990年代の環境音楽に完全に戻った作品が「10. キミとボク」。90年代エポを象徴する「ラララ」コーラスとパーカッションにバックコーラスも加わり、生命が土に還る健全さを歌い上げるかのよう。清々しい名作です