VAN MORRISONの新作は自身の愛聴カントリーソングのカバー集です。90年前後からオリジナル以外のさまざまな好企画盤(スキッフルセッションとかユーウィンアゲインとかね)を世に送りこんできた御大ですが、今回は自身が楽しめるためだけに作った内容になってしまい、ムーンダンスやアストラルウィークや前作マジックタイムを期待して購入したファンは戸惑ってしまうかもしれないような内容になったのは否めません。しかし、VANの一挙手一投足を追ってきたコアなファンにはなかなかどうして訴えかけるものが強いアルバムとなっています。ヴァンの父親がその昔スキッフルバンドで演奏したいたということからもVAN自身が英国(北アイルランドだからね)においてかなりアメリカ音楽の象徴であるカントリーミュージックを吸収して育ったことが察せます。自身は「レッドベリーやレイチャールズこそがおいらの師」と仰いでいますが、テュペロハニーのカントリーに影響を受けた表現などを勘案するときやはりVANの音楽はアメリカの黒人音楽と白人音楽の融合を体現している稀有なロッカーと再認識せざるを得ません。ま、しかしもって、演奏はごりごりのカントリーであるにもかかわらず、VANの発声はどうやってもソウルよりのこぶしの利いた歌い方であって、往年のファンは「ふむふむ、フィドルやペダルスティールがバックでなっていても、VANはVANじゃのう。御大健在也、万歳!。」となるわけです。しかし、なんだかんだいっても、完成度はぴか一高く、VANの過去作を知らない人が聴いても引き込まれてしまいます。是非是非オ試しあれ。