71年の4th。VDGGの最高傑作を選ぶなら本作。高貴ながらもヒステリックに乱れ暴走するピーターハミルのボーカル、的確かつ興奮を煽るドラム、オルガンの生む深く荘厳な空間は時に地響きを立て揺らぎ、雷撃のように走るサックス…空間がねじれ、歪み始める!ブチ切れたような凄まじい演奏に終始圧倒されっぱなし。深く絶望的な闇が渦巻く。ロバートフリップもゲスト参加。とりあえず迷ったら本作から…と言いたいところですが、ちょっと劇薬すぎるかなあ…。
「Lemmings」はどす黒い噴煙がもの凄い速さで広がっていくような、何とも恐ろしげな雰囲気が圧巻。スリリングに飛び交い奇怪にねじれていくオルガンとサックス。次々表情を変えるボーカル。中盤、大地を揺るがす、地割れのような展開は極悪。フルートの揺れる謎めいた終幕も良い。「Man-Erg」は教会風のオルガンやピアノ、清く切ない歌声が響く序盤…だが突如、ブチ切れた演奏が火を噴く。心臓が止まりそうな強烈さ。高らかな歌声が響き渡るクライマックスには再び中盤の邪悪な演奏が割り込み、光と影とが激しく行き交うような展開は実にスリリング。更にはその光と影が1つになり、重厚で開放的な大団円に至る…カッコよすぎる!鳥肌総立ち。「A Plague of Lighthouse Keepers」は映画を一本通して見る位の手応えのある、23分の大作。歌声・詩と見事にシンクロしてサウンドが映像やイメージを強烈に喚起。広大な海、灯台、荒れ狂う波、難破船の破片、亡霊…様々な光景が目に見える。灯台の光、近すぎる光、他者、自我、孤独…主人公のもがき苦しみ葛藤する姿がまざまざと浮かぶ。破壊的、狂気に満ち嵐のように押し寄せる第8部の後、1つの悟りに到ったかのような第9部の崇高に輝く歌声はあまりに感動的!