USインディーを代表するバンド、DeerhunterのBradford Coxによるソロ・プロジェクト。
「Bedroom Databank vol 1~4」という彼のサイトからフリーダウンロードできる作品を除けば
今回が3作目となる。Deerhunterの活動と並行してこのペースは驚異的だ。
古い形のマイクを握り締めてリーゼントヘアで決め顔をするアルバムジャケットは
さながらプレスリーなどのオールディーズのポップスターだが、
サウンドも、ヴォーカルを前面に押し出したものとなっている。
1~2作目では、Deerhunterで聴くことのできるノイズのような実験的要素が
多分に含まれていたが、今作では控えめ。(部分的には見られるけど)
元々Bradfordは50〜60'sのポップスが大好きだそうで、コード進行を始め
Deerhunterの楽曲にその要素が多々見受けられるが、
実験性を押さえて、ヴォーカルを中心に据えたアレンジの今作では
彼のルーツがより顕著になるような仕上がりになっている。
“オールディーズ”だからと言って演奏がただシンプルなわけではなく、
様々な楽器を、主張し過ぎず、あくまでヴォーカルの引き立て役として
非常にバランスよく、センスよく使い分けており
改めて彼の才能の深さに驚くばかりである。
非常にバライエティに富んだ内容になっているが、
全体的にDeerhunterの作品ほどインパクトがないのは認めざるを得ない。
しかし「オールディーズを現代風にアレンジしてみました」
という視点では、十分クオリティの高いものだと言えるだろう。
※ボーナストラックについて
2曲ともインストで、ループを使った実験的ナンバー。
“Te Amo”冒頭のアルペジオが“Quark Part 2”で聴くことができる。
歌詞はちゃんとブックレットに書いてあるので、
対訳を見たい人じゃない限り日本盤は買わなくていいかも…。