この作品をずっと読んできて、もうかなり前から終わっていいと思っていました。
掲載紙が休刊してしまったようですけど、その後も書き続けているようですね。
とりあえずヤングユーから出る単行本としては、これが最後なのだと思います。
作家の父親と小学生の娘の生活を描いた作品です。
父子家庭だったり、親が作家だったりという、普通とは違う部分で二人は生活を楽しんだり、時には悲しんだりしています。
平和な雰囲気の中で、言いたいことはハッキリと言うような、楽しくて小気味良い作品だったと思います。
ただ、「世間の常識」と「孤独に暮らす人」との闘いの描き方が一方的で、そこにひがみのようなものを感じてしまうのです。
父親に再婚を勧める人や、シングルで仕事を頑張っている父親の妹に見合いをセッティングする人、そういう人を無駄に悪く描き、世間の価値観を否定する方法には違和感を感じます。
「価値観は人それぞれ」と言いながら、決して和解も理解もしようとしない、自分達はたっぷりと正当化していながら、歩み寄りもなく放っておいてくれという姿勢は、何だか子供っぽいと思うのです。
そこがこのマンガの役割であって、あまりリアルに悩んでは読者が爽快感を感じられないかもしれませんけどね。
既存の価値観は悪であって、それを新しい価値観がやっつけるという、子供向けのヒーローショーみたいなマンガだと思います。
それから9巻くらいから出てくる、TVや新聞を読んで作ったようなエピソードがあるでしょ。
いじめだったり不登校だったり、そういった問題に悩むゲストキャラクターが出てきて、主人公の親子がそれに少し関わり、問題が少し解決しそうになるような、そんなストーリーが増えていきます。
はっきり言えば描き方が軽すぎて、しかも簡単に解決しそうになるから、作者の問題に対する見方が甘いと思わざるを得ません。
実際に問題に直面している人達をバカにしているようにも読めます。
それと14巻くらいから出てくる、娘が読者に語りかけるような演出ね。
これウザいです。
出来すぎた設定の話で読者に爽快感を与えるマンガだとして、それが好きな人にはいいマンガということになるのでしょうけど、「あなたは大丈夫?」みたいな語り掛けなんてお節介でしかありません。
折角現実から離れてマンガを楽しんでいるのに、何を偉そうに説教しているんだと思ってしまいますよ。
読み始めてしばらくは面白いマンガだと思っていたのですが、長く続けすぎて作者がネタ切れしたのは明白で、もっと前にやめればよかったのに、必死にネタを探して続けてしまっているマンガです。
更に説教臭い感じがしてしまっていて、おそらく作者は自分がセラピストにでもなった気分で描いているのでしょうね。
終わるべきタイミングを間違うと、こんなに酷いコトになるという、悪い見本みたいな残念なマンガです。