『YAWARA!』『MONSTER』『20世紀少年』などで数々の賞を受賞してきた浦沢直樹氏の新作。
本作はマンガの神様、手塚治虫氏の名作『鉄腕アトム』より「史上最大のロボット」を原作としている。浦沢版の特徴は、原作では大きく扱われることのなかった刑事ロボット、ゲジヒトを主に据え、事件の謎を追っていくミステリー仕立てとなっている点である。
第1巻の見所は、ゲジヒトの事件との遭遇からその核心へと迫っていく緊迫のミステリー。戦闘ロボット、ノース2号と老作曲家の人間ドラマ。そして、本巻の最後のコマではついにあのロボットが登場する。
ミステリー仕立てのドラマでありながら、機械人形にすぎないはずのロボットたちの「心」を描く。あるはずのない「心」へのロボット自身の接し方を通じて、読後には感じ入る何かが残る作品である。
豪華版には、手塚版「史上最大のロボット」が収録されているので、読み比べる楽しみも味わってほしい。
第1~7話(ビッグコミックオリジナル2003年18号~2004年8号分)収録。