本作全巻を貫くテーマの一つは「父と息子」である。
読んでいると、全ての主要登場人物が「息子」であるか「父」であるか、その両方であるかという構成になっていると思う。かつ、それが「人間同志」の親子関係ではなく、「人間ーロボット」、「ロボット同志」の親子関係もあることが話を複雑にしているし、その複雑さが本書の味わいを深くしている。
本書の題名はプルートウである。親子関係でもっとも悩む立場にいるのはプルートウとゲジヒトである。4巻でアトムがゲジヒトに送ったメッセージでは「ゲジヒトはプルートウと同じ」とあるが、それの意味は親子関係で考えると理解されるのかもしれない。
本作は深読みが出来るという点で実に上質な文学作品であると僕は考えている。もともとマンガは嫌いではなかったが、本作との出会いでマンガの可能性を更に感じているところだ。