まずはよくぞここまで頭数を揃えましたなぁ。第1章から、桑田真澄、宮本慎也、立浪和義、清原和博、木戸克彦、金石昭人、吉村禎章、片岡篤史、野村弘樹、中村順司監督、前田健太と、1章ひとりずつの肉声がドワーッと続くわけです。著者・橋本清を加えると、12編のPL学園論がビッチリ詰まっております。
勝利に至るエピソードはそれぞれに光を放ちつつ、読み進むにつれタイトルでもあるテーマ、「PL学園OBはなぜプロ野球で成功するのか?」が徐々に理解できる。それが今の世の中ではほぼ全否定されている、根性論的なものであったり、奴隷制とも言える先輩後輩の主従関係と無関係ではないというから不思議なものだけれども。
12人のほとんどが異口同音に「高校1年生の時だけには、1億円もらっても戻りたくない」と言う。それでも「あの1年生の苦しい時間があったから今がある」とも口を揃える。目配りや気配り、我慢という今風でないキーワードを、有無を言わせず徹底的に叩き込む学校は、25学年(!)も途絶えることなくプロに人材を送り込んでいる。25学年である。四半世紀だ。まだ伸びる可能性だってある。多い学年は、5人である。2000本安打するような選手も、200勝するような選手も、ちょいちょい出てくるのである。ありえへん。でも、事実なのだ。
そんなありえへんはずの事実に、なんとなく得心がいってしまう。「PL学園OBはなぜプロ野球で成功するのか?」。確かに、読むとその理由が分かる気がしました。