フリッパーズ・ギターがデビューした88年、私は既にサラリーマンだった。もちろん小沢健二も小山田圭吾も年下だ。
70~80年代ずっと洋楽を聴いてきた私には、それまでの日本の音楽シーンとは何の関係もなく、突如こんなバンドが出現したことは衝撃だった。それは、音楽のクオリティ、やりたい放題の立ち居振る舞いもそうだが、その存在感の輝きに対しての嫉妬心があったと思う。単純に「こいつら今風の娘(当時の、ね)にもてるんだろうな」というのも含めて。(男っていやーね)
その後出た大量のフォロアーと比べフリッパーズが突出した存在だったことは、今だにCMなどに頻繁に使用され続けることからも明らかだが、ネオアコ風の登場から、わずか3年ほどで「ヘッド博士...」の世界に走り抜けてしまったことは、他のバンドとは初めからやりたいことが全く違ったということだろう。
その輝きと変遷のスピード感を追体験できる貴重な映像作品。今見るとPVのつくりやお遊びを多少古臭く感じるかもしれないが、その存在感と音楽性は変わらない。
「グルーヴ・チューブ」から「奈落のクイズマスター」の流れで、なぜか涙が出た。10年以上前の音楽にこんな風に心を動かされるとことも、また、くやしい限り。