著者はロンドン・香港経験者を含む金融機関グループのスタッフからなる共同執筆陣。実務に通暁した解説は平易,しかも具体的で説得力がある。特に,第一章「PFIとプロジェクト・ファイナンス」,第二章「英国PFIの発展過程およびその特徴」は官民関係者の理解と認識を共通にする上で有益であろう。第五章以下のケーススタディー・シミュレーションも実務家にとって参考になる。
今日,PFIは,政府,地方自治体の最大関心事の一つであり,その導入が積極的に検討されている。しかし,官民のリスク分担明確化・明文化の徹底が不可欠である。最近,国内初のPFIが千葉県の廃棄物処理施設「かずさクリーンシステム」に適用されることが報道された(7月24日付日経新聞)。大きな前進である。ただ,著者の指摘通り,日本でのプロジェクト・ファイナンス適用例は少なく経験者も多くない。実績を持つ弁護士・会計士事務所はさらに少ない。実務者の育成と開発ソフトの確立が急務。その意味で本書はガイドブックとしても有意義である。
なお,本文ではあまり触れられなかった資金調達手法,たとえば米国にある産業免税債(IR BOND)などの証券化手法が具体化すれば,市場の評価が直接反映され,公共事業に対する国民の積極的関心がさらに拡大されよう。 (東亜大学 経営学部 助教授 大隈 暉)
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各種のリスクを挙げ、それらをどう分担するかが示される。道路・路面電車・刑務所など、イギリスでの代表的な事業分野における典型的な事業スキームを解説する。実務家の必要性など、日本で導入する場合の課題についても論じている。
従来型の公共事業に替わる手法として注目されるPFIだが、契約とそれに基づいた運営(特に問題発生時)の重要さを知ることができる。
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