書店でタイトルに惹かれ、第一章をぱらぱらめくった上で、マーケティングに定評のあるP&Gの、社員教育の一端に触れることを期待して購入。が、残念ながらその期待に応えてくれる本ではありませんでした。
第二章以降は、かつて同社に勤務していた著者のP&G礼讃がやや冗長に続きます。
書かれていることはおそらく正しいことなのでしょう。しかし正直退屈です。
同社の中で共有されていたであろうコンセンサス無批判に紹介しており、就活生向けのパンフレットに書かれているような美辞麗句の域を超えるものではありませんでした。
P&G社の優れている点を強調したいのなら、客観的な情報がもっとあれば興味深く読めたかもしれません。
また逆に、あくまでも「元社員の主観」を押し出すなら、P&G勤務時代の、ビジネスの現場での生々しいエピソードを盛り込んでいただければ、よりドラマチックな企業読み物として楽しめたかもしれません。(外国人上司との認識の違いなど、惜しいエピソードも少しありました。)
まあ、いずれにせよ、この本のタイトルから想起させる内容からはかけ離れてしまいます。
本書に魅力が欠けているのは、著者の責任というよりは、編集者の問題が大きいような気がします。
企業研究を目的として読む分には、資料的な価値はあるかもしれませんが、それでも本という商品が生まれる経緯を想像するリテラシーが必要でしょう。