「Confield(2001年)」発表を頂点として、その後に発表されたアルバムは「Draft7.30(2003年)」、「Untilted(2005年)」と、そのジャケットデザインの素晴らしさとは裏腹に、なぜか焦点のはっきりしない内容も今ひとつの出来のアルバムだったが、「Quaristice(2008年)」ではオウテカのライブで使用している音源をもとにして曲を作り、結果としてはオウテカらしさはやはり今ひとつであったが、ブライアン・イーノのテクノ、ハウス的な曲にかなり雰囲気が似た出来上がりとなり、「オウテカ復調の兆し」が垣間見えた。
しかし、その「Quaristice(2008年)」にしてもオウテカ自身は「自分たちでも何をやっているのかよく分からない、だからリスナーに解釈して欲しい」というようなコメントを残していた。ここにオウテカの深いアルバム制作上の行き詰まりが感じられる。
さて、そういう経緯からできた本作であるが、予想に反してオウテカらしさである、パルシブで強烈なアタック音が打ち込まれていて、「LP5(1998年)」を彷彿とさせる楽曲がならんでいる。
そして単に「先祖返り」しているだけではなく、音響処理も奥行が感じられる効果を出しているので、そういう意味では「LP5(1998年)」の焼き直しには終わっていないので、非常に楽しめることは間違いないだろう。
しかしそこは「天下のオウテカ」であるわけだから、期待値は一応超えたという意味であって、まだ「オウテカの新作!」ということを自身を持っていう気にはどうしてもなれないというのが、私の本音だ。
色々と書いてきたが、「買って損をすることはない」というレベルに到達しているのは、厳然たる事実なので、ぜひとも買って自分の耳で聴いてみて欲しいと思う・・・。