橘先生のことは「セブンデイズ」の原作者ということで存じ上げていたのですが、
ご自身の小説は今回初めて読みました。
やっぱり、じわじわと心の距離が読み取れる文脈が味なんでしょうか。
結論からいうと、すごく好きな作品でした。
時間軸を行ったり来たりするので構成は複雑ではあるのですが、
ひとつひとつの場面が丁寧に書かれているので、じっくり読むことが出来ます。
ただ、雨が作中テーマになっている通り終始ローテンション?なので、読む人を選ぶ気もします。
でも、先が気になる!じれったい!と逸る気持ちを我慢しつつラストを迎えると、
その瞬間には既に、読み返したくなっているはずです。
最後に手に入れた鍵でもう一度扉ページを開けば、そこにはまた違った世界が広がっています。
残念だったのが、穂積と結の二人以外の人間があまり活躍しなかったこと。
もちろん閉鎖的なお話と言ってしまえばそれまでなんですが、
せっかく周りも個性的なキャラを登場させているのですから、何かあれば良かったな。
個人的には結(攻)の「ねー?」「いーよー?」といったゆる〜い言葉遣いがツボでした。
ちょっと重いテーマも柔らかくなる感じで。結のふわふわさが出てた。
蛇足ですが、自分の中でのテーマソングは「Your eyes closed/Syrup16g」でした。