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Out of Place: A Memoir
 
 

Out of Place: A Memoir [ハードカバー]

Edward W. Said
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   エドワード・サイードは『オリエンタリズム』『イスラム報道』『パレスチナとは何か』などの著書で知られるアラブ系アメリカ人である。コロンピア大学で英文学と比較文学を講じるかたわら、第4次中東戦争後の1977年からパレスチナ民族評議会議員としてパレスチナ問題に取り組んできたが、91年白血病と診断され同評議会を退いた。そのことが、彼に自伝の執筆を思い立たせた。「不治の病らしいもの」を患ったことから、「わたしが生まれ人格形成期を過ごしたアラブ世界と、合衆国で高等教育を受けた時代のことを書き遺しておかなければならないという使命感が沸きおこった」というのである。

   著者はつねづね「パレスチナ人の側の物語が決定的に不足している」ことを訴えてきた。だから死ぬ前に、迫害と収奪の痛みを記憶するパレスチナ人として、パレスチナの物語を「わたし」の中から紡ぎ出さねばならない。それが彼のいう「使命」なのだろう。

   しかし、エドワードはいわゆる「パレスチナ人」ではなかった。1935年、イギリス委任統治下のエルサレムで生まれ、やはりイギリスの植民地だったカイロで幼児教育を受けるのだが、父からはいつも「お前はアメリカ市民だ」といわれて育った。父のワーディーは1911年、ブルガリアと戦争を始めたオスマン・トルコの徴兵を避けてアメリカに逃げ、第1次世界大戦に米軍兵士として参戦した功績が認められて米市民権を得た。「エドワード」という非アラブ的名前は、「アメリカ市民」を自負する父が、アラブの中に「決然と小さなヨーロッパのまがいものをつくろうとした」結果なのである。それでもエドワードは、欧米人でもアラブ人でもない「うさん臭いまでに不確かな」アイデンティティーをかぶりながら、欧米人からはしっかり差別され、やがてパレスチナを追われていく。

   かくさまざまにパレスチナを踏みしだいて行った歴史の轍をたどりながら、エドワードが探しているのは、「エドワード」の下に潜む本当の「わたし」なのである。しかし、それはアイデンティティーという「堅牢な固体としての自己」ではなく、「流れつづける一まとまりの潮流」のようなものだという。マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』にも似た、記憶への遠い旅の記録である。(伊藤延司) --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

内容説明

Out of Place is an extraordinary story of exile, a narrative of many departures, a celebration of an irrecoverable past. A fatal medical diagnosis in 1991 convinced Edward Said that he should leave a record of where he was born and spent his childhood, and so with this memoir he rediscovers the Arab landscape of his early years--"the many places and people [who] no longer exist . . . Essentially a lost world." Vast changes occurred as Palestine became Israel, Lebanon was transformed by twenty years of civil war, and the colonial Egypt of King Farouk disappeared forever by 1952.
        
Born in Jerusalem in 1935, Said was the only son in a prosperous family of five children. His ferociously demanding father upheld many Victorian values and ideals, and his adoring mother inspired his love of music, theater, and literature. His aunt Nabiha gave him his first sense of what it meant to leave Palestine, something never discussed by the family. Said writes with great passion and wit about his family and his friends--from schools in Cairo and summers in the mountains above Beirut to, as he grew older, camp in Maine, boarding school in Massachusetts, and college at Princeton University. Underscoring all is the confusion of identity as Said had to come to terms with the dissonance of being an American citizen, a Christian and a Palestinian, and, ultimately, an outsider.
        
Out of Place reveals an unimaginable world of rich, colorful characters, of exotic eastern landscapes. Lyrical and beautifully crafted, it is often extremely frank as well as intimate and humorous. Said has exposed a most personal past, letting us observe the people who formed him and who enabled him to triumph as one of the most important intellectuals of our time.

Out of Place won the New Yorker Book Award for nonfiction in 2000.

登録情報

  • ハードカバー: 320ページ
  • 出版社: Knopf; 1版 (1999/9/14)
  • 言語 英語, 英語, 英語
  • ISBN-10: 0394587391
  • ISBN-13: 978-0394587394
  • 発売日: 1999/9/14
  • 商品の寸法: 23.6 x 15.5 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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ALL FAMILIES INVENT THEIR PARENTS AND CHILDREN, GIVE each of them a story, character, fate, and even a language. 最初のページを読む
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根無し草 2005/10/18
By daepodong VINE™ メンバー
形式:単行本
 原題は"Out Of Place"である。「場違い、どこにもない場所」というこの表題の適訳は何だろうか。本書を読むと、単に故郷のことだけを指しているのではなく、家庭そのものからもサイードが疎外感を感じていたことがわかる。そこで、わたくしは「根無し草」というのが適当な訳ではないかと感じなくもない。
 サイードというと「経歴詐称」という問題が指摘されているが、悪意あるメディアの捏造だということである。この本で最も興味を惹かれたのが、サイードがパレスチナの擁護者として活動するようになったきっかけがユダヤ教のラビのひとことだったという下りである。この部分を読んだだけでも、ユダヤ人を一緒くたにしてはならない(当然、立派な人もたくさんいる!)こと、サイードもそのことをきちんと認識していたことがわかる。わたくしにはこの部分だけでも価値があった。
 故郷と呼べる場所もなく、両親からも無条件の愛情をもらっていたとはいい難いサイード、晩年は無数の見知らぬひとびとの大きな支持は彼に届いていたのだろうか。
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50 人中、41人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:ペーパーバック
 昨年惜しまれつつ亡くなったエドワード・サイード教授。 私も同教授の数々の著書を読んで、学ぶところ大です。
 この本は、パレスチナ人の中に生まれながら「エドワード」と名づけられ、自らのアイデンティティーを求めてさまよい続けた人の物語です。

 ただ、一つだけはっきりさせておかねばならないのは、彼の人生は典型的なパレスチナ人の人生とはあまりにもかけ離れている、ということです。 簡単に言えば、多くのパレスチナ人がイスラエルに追放され、難民キャンプで肩を寄せ合い暮らしていた頃、「エドワード」は「ハーバードの修士課程中」の「夏休み」に、「ギリシャ」を旅行していたわけです。 それ自体は悪い事ではないのですが、そういった人でなければパレスチナ人の「語り部」にはなれない、(難民は生きるのに精一杯で勉強したり本を書いたりする暇も余裕もない)というのが、実はパレスチナ人の本当の悲劇なのかもしれません。

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語る能力 2007/12/31
By Soyuz
形式:単行本
非常に明晰な頭脳と、高い言語能力をもつ成人の自由連想記録として非常に興味深く読みました。彼自身によるオリジナルの言葉で(英語で)改めて読み直したいものです。
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