ムーディー・ブルースが1969年にリリースした5作目。邦題は『子供たちの子供たちの子供たちへ』。端的に魅力を語るなら《流れ》に尽きるだ
ろう。前々作から挑戦しだした精神がこの一作で実を結んだ印象を受ける。
短くて1分未満、長くても4分弱の小品楽曲で構成されていてSide oneのフィナーレを飾るマイク・ピンダー作の「Out and In」や、Side twoの
フィナーレを飾るジャスティン・ヘイワード、レイ・トーマス作の「Watching and Waiting」などの名曲も、それ単体で実に素晴らしく味わい
深い仕上がりだが、そこに辿り着くまでに並んでいる楽曲の効果で感動が何倍にも増加するんだなぁ。。
で、その小品楽曲も単にひきたて役ではなく、実にヴァラエティと創意に富んでいてアルバムの幕開けを飾る「Higher and Higher」で魅せる
ソリッドに躍動するギターワークの妙に、「Floating」で魅せるのほほんとした英国トラッド/フォーク調と奇妙に同化する電子楽器の妙に、
二通りのPartが用意されている「Eyes of a Child」や、これまた双子然としたヘイワード作の弾き語りなど、とても意匠を凝らしている。
そして、上で述べたフィナーレを飾る名曲以上に名曲ともいえる「Gypsy (Of a Strange and Distant Time)」に「Candle of Life」...
前者は、ヘイワードの独創的なセンスを満喫できる曲。まずイントロからして奇跡。奇跡のイントロ。始まって5秒で名曲だと判る程に、漲る
空気感が凄い。そしてメロトロンと生ギターとコーラスワークの絶妙の絡み合い...凄い。。
後者は、雨垂れの様なオルガンと湿ったストリングスが絡み合う言葉で言い得ぬ美しさ。。
前作や前々作がお気に入りの方には勿論の事、総じて完成度が高いので初めてムーディー・ブルース作品に手を出そうという方にもお薦めです。