もの凄く好きになってしまったので、ここにレビューを書こうと思ったけど、言葉が見つからない。
そして、もの凄く好きなのに、まだ自分自身に「?」がある。
ブラックミュージックが好きで、ソウル、ファンク、ジャズ聴いてきて、ロバート・ジョンソンやブラインド・レモン・ジェファスンのブルースも聴いてきた。
そして音楽を聴くのは心から楽しむためだけど、ブルースに関してだけは、今までは、聴くとき何パーセントか「勉強」の気持ちが混じっていた。自分の好きなブラックミュージック 〜 ジャズを含めて 〜 のルーツがブルースだから、そこを「知りたい」という好奇心やお勉強の意識が混じっていた。その意味で、今まで、不純な動機でブルースに接してきたと思う。
でも、このアルバムを聴いたら、その「ブルースのお勉強」「歴史のお勉強」の気持ちが吹っ飛んで、ただただ、このギターと歌にノックアウトされて、あとはもう好きで好きで何度も聴いている。もちろん、これ以外の音楽も好きだしこれからもいろんな音楽を楽しむと思うけれど、この爺さんのギターと歌はある意味、最強の、勇気と男気のカタマリのような音楽だ。フォーキーで、そして野獣のような(爺さんだけど)リズムがあるのでダサくなく、強さと、弱さと、哀しみと笑いを感じる。
ギターで弾き語りしている曲、どれも素晴らしいが、サン・ハウスの歌と手拍子だけで成り立っている 「John the Revelator」 や 「Grinnin' in Your Face」 の迫力に圧倒される。
25年くらいいろんな音楽を聴いてきて(気持ち良さやカッコ良さも求めてきて)、いま何より気持ちよくカッコよく響くのがこの爺さん(失礼!)のしぼり出す声と手拍子だというのは、自分でも不思議だけど、大好きだ。
とにかく、ここに、鋼のような音楽や歌がある。
最初はちょっと「?」と思うかもしれない。ある意味メロディーはなく(あるけど)、男気、そして野獣のようなリズム(爺さんだけど、野獣)のみでそれぞれの曲を歌い切っているように思う。(やさしいメロディーとやさしい歌詞の今どきの日本のポップスとは異世界の音楽だけど、意外と、日本の民謡には通じるかもしれない。土着の強さで成り立っているところが)
とにもかくにも、聴いていればきっとこの爺さんを大好きになる。出会えて良かった。
元気のなくなったとき、こいつを聴くといい。ホントに。人間は、こんなに強かった。音楽はこんなにたくましかった。