それはあくまで角度限定での話。
オリジナルとは異なり、今回のアレンジされた“電子の妖精”さんは、シリアスでミステリアス、アンニュイな佇まいが、「大人の女性」といった雰囲気を存分に醸し出しており、新たな歌姫像を獲得する事に成功している。
加えて、色彩設計は華やかで、しかも落ち着いた柔らかみがあり、完璧な調和を打ち出してきている。
更に、耽美な世界観を巧みに演出するガラスの巨大ハイヒール台座やピンクのフリル付きクッション、林檎、薔薇などの小道具は、ヴィネット構成要素としてかなり面白く、見映えもいい。
但し此度のボーカロイド女史、背面から窺うと、彼女最大のシンボルたるツインテを敢えて排した、ただ下ろしただけの長髪が、しおしおとショボく纏まっていて、ボリューム不足の感が否めないし、ショーツ後部の下地色は何故か前面に比して濃く設定され、せっかくの朱色水玉模様がオミットされてしまっており、彩色画像とは(クオリティーダウンの方向で)明らかに異なっている。
また、瞳が細くなった気怠げな表情も、見栄えのいい斜め前方向から拝む限りに於いては申し分ないが、正対すると、キリッとした印象がやや霞む能面具合である。
その上、非常に貴重な下着姿のレプリカントであるにも拘らず、シーツでバストが隠れ、挑発的な艶かしさが不足している(そうしないと監修を通らないから?)。
もちろん、世界的な人気を誇る偶像としての清楚さも大事ではあろうが、それはフェイス部のクールビューティーっぷりに譲るとして、ヒップや太腿等、もう少し冒険し、肉感的、エロティックに攻めてみても良かったのではないだろうか、これは妄想世界のシンデレラなのだし。
余談だが、このスタチュー、横幅の方が広いものの、それでも全長約11cmと、思ったより小さい。キャラクターに語呂を合わせたかっただけなのかもしれないが、これで税込み定価3,939円は、ちょっと割高感が拭えませんゼ、ホビーストックさん(^_^;。
今回の''オリジナルイラストを元にした、イマジネーションシーンフィギュアシリーズ'”は、プロポーションやポーズに一切破綻は無いが、今一歩コンセプトの魅力を発揮し切れておらず、2コ目が欲しくなるまでには至らない、かなり惜しいクオリティー。せめてもっと豪奢に、フェティッシュな領域にまで足を踏み入れる事は出来なかったものであろうか。