1990年「Tales From The Bulge 」2001年「The Star Spangled Banner 」ほぼ10年毎、腰の重いランドウのスタジオ3作目(途中バンド作品除く)
しかしまぁ過去作品の傾向から予想していたとはいえ、これが微妙な出来で…一般のフュージョンギタリストの作品のように単音で奏でられる明確なテーマメロはほとんど無くテンポもスロー、ミドルばかり。ただ、彼の熱心なファンならお分かりになると思いますがこれこそがランドウらしさなんですよね。。ギターは最小限のオーバーダブのみで独特のコードヴォイシングや多用される複音の中にうっすらと浮かび上がるテーマらしきモノ。歪みの好みの変化(ファズ寄りに)こそあれど一聴した印象としては第一作「Tales from 〜」の延長線上の作品と言っていいかと思います。
想うに彼は印象的なメロディーをひねり出す事よりもコードの響きに重きを置いて作曲しているのではないでしょうか。そのあたりは自身も影響を受けたと公言するホールズワースに近いとも言えますし、ギタリストよりも鍵盤奏者の感覚に近いのかもしれません。
当然、技術的な事はもうケチのつけようがありません。おそらく32分音符を機械の様に羅列する事しか頭にないギタリスト以外は彼の凄さは分かると思います。先に挙げた独自のコードワーク、ソロ時の絶妙な間合い、指弾き含む右手のダイナミクス、瞬間的な左手のグリスの速さやペンタの歌わせ方、そしてクリーン、歪み両方の音作りの素晴らしさ etc…
ただ彼のスタジオソロ作を聴くにつけ「この人はちゃんとしたバンドやライブで輝くなぁ」と思うのも事実。即ち人の書いた曲を弾くランドウやライブでの桁外れの演奏技術に私は惹かれてる訳です。実際バーニング ウォーターやカリズマ、ソロのライブ版はよく聴きますが、毎回同じ方向性のスタジオ過去作はラックの奥…世界一好きなギタリストだから全てを肯定したいのだけれど、ここまで淡々とデッサンの様な曲ばかりだとその気持ちも揺らぎます。アーティスティックと言えば聞こえはいいでしょうが、はっきり言って退屈です。ギターワークに関しては天賦の才を与えられたと思いますが、こと作曲家としての才能となるとどうなのでしょう?私と同じ考えのランドウファンはかなりいると思うのですが。。
あとバックメンバーについても一言。本作には不参加ですがやはりリズムセクションは J ジョンソンと T パノスが一番いいと思います。2006年のライブ盤の3人のインタープレイは凄まじかったですから。(驚いた事にフォト見る限りアンディ ヘスなるベースが今のランドウの片腕のようです。彼はウォーレン ヘインズ率いるGov't mule の2代目ベーシストでしたが、夭折したアレン ウッディの穴を全く埋めれず脱退しました。そんな彼にランドウのボトムが務まるのでしょうか?まぁ要らぬお世話ですが…)