読み終えたあとは、いつまでも余韻の残る感動に包まれました。
壮絶なラストが描かれる物語終盤。
涙が止まりませんでした。
すべての登場人物たちのセリフ、心情表現、行動に至るまで、それらを示すすべての文章が、読者であるぼくの脳裏にはっきりとその様相を想像させ、まるで映画を観ているような興奮を与えてくれました。
同時にこれが作家・福井晴敏の為せる業(わざ)なのかな、と改めて感服しました。
前作『終戦のローレライ』とは異なり、舞台は現代日本。
“戦争”が“テロ”という言葉に置き換えられた現代を生きるぼくら読者にとって、より想像するには難くない時代背景となりました。
フィクションとはいえ、実際にそれが起こる様子を容易に想像できるんです。
今作も物語のなかでは、福井作品では毎度のこととはいえ、アクション映画さながらに手に汗握る場面も多く用意されていて、なにより登場人物の心情描写が巧みです。
福井晴敏の過去作品に見られる様々な“福井節”も健在で、ファンは思わずニヤリ、あるいは「またか」と納得してしてまう部分があることは否めません。
しかし、今作には過去のどの作品にも無かった“魅力”があることも確かです。
朋希、並河、一功、ほかのローズダストの面々・・・。
そのほかの登場人物もキャラクター性に長けていて、それぞれの思惑が交錯することによって紡ぎ出されるストーリーは秀逸です。
全身を貫くような感動が、欲しいひとへ。
ぼくは自信を持って、この『Op.ローズダスト』の必読をススメますよ♪