『ガープの世界』アーヴィング、『フローベルの鸚鵡』バーンズ、『イリワッカー』ケアリー、『ぼくが電話をかけている場所』カーヴァー、『ドリンキング・ライフ』ハミル、『心臓を貫かれて』ギルモア、『アンジェラの灰』マコートなどなど、当代を代表する作家がずらりと並ぶ。しかも、すべて作家のインタビューを踏まえて書いている。癖のある作家の発言がおもしろいのは当然だが、本書の魅力はそのインタビューにまつわる描写にある。アポイント時の電話での会話、訪れた自宅やホテルの雰囲気、作家の風貌、立ち居振舞いなど、直接会わなければ書き得ない作家の人間像がリアルに浮かび上がる。
書店、出版社、作家とエージェントの関係など、英米での出版にまつわる状況についての記述も多いので、出版関係者は興味をそそられるだろう。翻訳文学好きならば誰でも必ずや感じたことがある邦題への不満を述べているくだりや、作品の感想を率直に述べている部分など、ざっくばらんな文体がさわやかだ。現代英米文学の入門書として優れているのは言うまでもない。(齋藤聡海)
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