David Gilmour久々のソロ作、Pink Floydに比べてプログレ色は薄め、比較的シンプルな音作り、落ち着いた表情が印象的です。かつてのFloyd作品のような壮大なスケールからみれば若干こぢんまりとした感じですが、個々の曲も魅力的なものも多く、売り物の一つであるGilmourのギターも随所に聞くことが出来ます。
本作を特徴付けているのは奥様のPolly Samsonさんの存在でしょう。曲の半分ほどに共作のクレジットがありますし、“The Blue”でpiano、”Smile”では控えめながら美しい声も聴かせてくれます。彼女はジャーナリスト出身の小説家として数年前”Out of the pictures”でデビュー、評価が高まっている人ですが、かつてFloydの”The Division Bell”で何曲かで詞を提供していますので、記憶にある方もいらっしゃるでしょう。また、曲ごとにRichard Rightはじめ Eno, Robert Wyatt, Graham NashなどGilmourの多数の友人達も参加、持ち味を発揮しています。
奥様や長年の友人たちに囲まれ、充実した面持ちで作り上げたホームメイドな印象の作品であり、羨ましさを感じながら穏やかな気分で聴くことができる好盤と思います。