マイク・オールドフィールドの初期の3つの作品は,それ以降の作品以上に彼の個人的な思いが深く浸透した作品群だと思う。ここに来てリミックス版が発売されたわけだが,最新のデジタル機器のおかげで,かつてはできなかったことができるようになり,そして,さらに時間がたっぷりと経過し,その間の様々な経験を経て,今現在の彼の表現したいと思うものを,オリジナル音源の制約の中でくっきりと表現することができた作品に生まれ変わったと思う。浮かび上がる様々な音はこれ以前のオマドーンでは隠れていて聞こえなかったものがあったり,あるいは音圧を下げて背景にひっこめたものもある。全体に抜けのいい透明感のある音になっている。Part1の最後は高音のギターの音が際立つように鳴っているし,Part2では優しい縦笛の音が繊細なアコースティックギターの音の連なりとバランスがとられていたりする。以前のバージョンに聞き慣れた耳に違和感として感じるならば,以前のバージョンによって固められた硬直した耳を柔らかくするしかないと思う。チューブラー・ベルズでも同じことが言えるが,メロディーも展開も楽器も同じだが,指揮者が違う別の音楽を聴いてるというつもりで聴くのがよい。クラッシック音楽が指揮者によって違って聞こえるということにたとえれば良いだろうか。同じ指揮者が約30年の年月を経て指揮をし直したのがこのリミックス版だと考える。