今回のベスト盤は、これまで発表された曲を選別して収録しただけではない。伴奏用ソフトの一新と、VOCALOIDも含めた全ての演奏技術の向上もある。また、各楽器のバランスも変わりこれまで聴こえなかった内声部も浮かび上がってきた。曲によっては細部に手が加えられている。このCDは、OSTERさんにとっての、現時点でベストな演奏を示したことでもあるのだろう。人によってはあの曲もこの曲も入っていない!と思うかもしれない(私もそう思った)が、聴いてみればそんな些細なことは吹っ飛んでしまう内容だ。
もちろんこれまでに発表された演奏の価値がいささかも失われるものではない。それはそれで、当時のソフトと技術で収録したようなものであり、今回のCDと両方を持てば、初音ミクの歌手としての成長と変化、つまりOSTERさん自身のそれを楽しむこともできるのだ。
付け加えると、ブックレットなども細部に愛情のこもった素敵な出来栄えで、デジタル配信では絶対に得られない、手に取ったときの喜びがある。
いささかブッ飛んだ感想かもしれないが、本当のモノ創りというのは、こういうものじゃないかなと思う。